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撮影裏話/寅/その1 [寅]

1998年の12月のある晴れた早朝、カメラ、三脚、衣装、化粧道具と結構な荷物とともに車で出発。アトリエからは約20分の距離である。スタッフはカメラマンとモデルの二人。十二支シリーズ初の戸外ロケ。意気揚々と出かける。

早朝の竹林には人影もなく、藁は朝露に湿っている。化粧はアトリエで済ませてきているため、衣装にささっと着替えて撮影開始。ポジフィルム24枚撮り3本撮影して、無事終了。

現像して唖然とした。清々しい竹林の光景のはずが、鬱蒼と暗いものに仕上がってしまったのである。原因は竹林の上方から差し込む早朝のまばらな光と、竹林内部の暗さとの光のアンバランスさ。自動シャッターでは無理だったのか?それともポジフィルムを使いこなせていないのか?なんたって、カメラマンは趣味にケの生えたようなデザイナー自身なので、露光調整など難しいことは分からない。

とにかく撮影したフイルムが使えないのは確かなことなので、再度撮影決定。


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