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ヘビ嫌いの母・2・鱗の主張 [巳]

母の生家は石川県にある構えの大きな商家である。小さい頃、夏休みに訪れた折には、黒光りしている梁や大黒柱の迫力に圧倒された。現代のいわゆる○○○ハウスとか○○○ホームとは違って、いわゆる昔の民家の屋根裏にはヘビやイタチ、ネズミはつきものだったそうで、彼女の記憶によると中でもヘビの這い進む音は格別。ざざーっ、ざざーっと天井裏から響いたそうである。幼かった母は、布団の中からその不気味な音を聞いていたらしい。ヘビってぬるぬるしていそうなイメージがあるけど?と思うが、あにはからんや、ヘビの全身は鱗で覆われており、それを逆立てることによって移動するのだそうである。ざざーっという音は、鱗が床に擦られる時の音だそうで、確かにぬるぬる、つるつるでは床に対する抵抗がなくて移動できないかもしれない。

またある日、その家の台所の床穴から、ヘビがにゅっと鎌首をもたげていたそうだ。女中さんが発見して大騒ぎ。男衆が来て、首を捕まえて引きずり出そうとした。穴はヘビの直径ジャストのサイズ。ぴゅっと引きずり出せそうなものであるが、ヘビはくだんの鱗を逆立てた。そうすると、男衆が満身の力を込めてもその位置以上に引きずり出すことが出来ず、あきらめたところで、ヘビは自分からすぽんと首を引っ込めて姿を消したそうである。たまたまその前にネズミでも食べて、首の位置から下の部分がお腹いっぱいで膨らんでいただけだったりして。
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母が鱗の抵抗力だと主張するので、そういういうことで。
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