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馬車と牛車  [午]

西洋の王侯貴族の乗り物と言えば馬車である。
日本の王侯貴族の乗り物は牛車である。昔の日本人は馬に車を引かせることは考えなかったのか?いや、運搬用には運ばせていた。参勤交代の図などをみても、馬はかなり重たそうな荷物を背にくくりつけられている。馬に乗った人はいるが、あくまでお供の侍で、殿は駕篭である。いわゆる西洋の馬車のようなものは、明治時代までは見かけられないようである。

。。。皇室の御成婚パレードなどを見ていると馬車はお供も皆騎乗である。絵巻物などをみると牛車ではお供は徒歩で周りを囲んでいる。犬や猫ならいざしらず、馬や牛一頭飼うことは場所も飼料も手入れも人出がかかる。時代によって異なるであろうが、都の貴族の懐事情は案外慎ましかったとも言う。。。車両も木製なので、舗装道路のなかった時代では、あまり速度を出すと体中がきしみそうだから、ゆるゆると持続力のありそうな牛の方が都合が良かったのかも知れない。牛車で戦闘に出たなどというのは聞いたことがないので近距離用として使用されたのだろう。都内の移動などは距離的にもたかが知れている。長距離になると速度の出る馬のほうが便利だろうし(牛の速度も馬鹿にならないらしい、しかし牛が速度を出す時は、怒りくるって手に負えない状況になった時である。ちなみにこの暴力的な牛の速度ををうまく利用したのが倶利伽羅峠における源義経の作戦であった)、ぬかるみや凹凸の激しい山道が多かったであろう日本の昔の状況では、車をひいて、道に車輪をとられるよりも、籠や輿という人力に頼ったものの方が、小回りも利くし、動力の補充も簡易である。

馬に牛車を、牛に馬車を引かせても、引けないことはないと思うが、やっぱりシンデレラには馬の引く馬車、かぐや姫には牛のひく牛車が似合うのかな。
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