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龍の子太郎 [辰]

私の印象に残る龍のイメージは、松谷みよ子作の「龍の子太郎」というお話に出て来る龍である。

村人のために用意したイワナを、身重で何も口にできなかった娘が、ついつい食べてしまい、3匹食べたところで龍の姿に変えられてしまうというお話。産み落とされた赤ん坊の太郎は娘の母親に預けられ、そのとき手にしていた水晶のような玉をなめて成長する。ところが、玉を全部なめてしまった太郎は他には何も食べようとはせず、困ったばあさまは龍に姿のかわった娘の住んでいる山奥に太郎をつれて相談に行く。その水晶の玉は実は母親の目玉だった。もう片方も太郎に与え、両目の見えなくなった母親はばあさまに太郎のことをくれぐれも頼み、姿を消すのだった。。。お話はここから太郎の成長、そしてあやという娘との出会い、鬼との戦いと進んで行くのだが。。。龍の話に焦点を絞るとして。。。表紙はカラーだったが、中は白黒の挿絵で、ばあさまの背丈の倍以上もある龍が哀しそうに目をさしだしている挿絵があったような気がする。私がこのお話をうろ覚えながら、ウン十年経った今も思い出すことが出来るのは、幼心にもよほど印象に残ったからだろう。

さて、体長30センチくらいの魚を想像していただきたい。お正月の鯛の塩焼きなどが好例である。その位の魚の目の大きさは直径約2センチ。ナマ魚の目はどろんと半透明で眼球は黒いが、これを焼くと、眼球が白くなるのをご存知だろうか? 小さい頃、私はこの魚の目を食べるのが好きであった。眼球部分をぐりっとえぐって塩味の効いたゼリー状の周りを食べると、最後に白目の部分が残る。この白い部分は表面だけであって、中心には固い玉がある。固いし、味もないが、舌でべろべろとしている間に、周りの白部分がきれいにとれて半透明のプラスチック玉のようになるのだ。

この玉を見るたびに、小さな私は「龍の子太郎のお母さんの目ってこれの大きい感じかなあ」と思っていたのである。理科の授業で目の構造に「水晶体」というものがあることから、龍の目・水晶体・目をなめるあたりがごっちゃになって、そのような思考回路になってたのかもしれない。ちなみに目は煮魚ても結果は白くなるが、煮魚だと目を食べる時に煮汁と混ざってあまり食感がよろしくない。焼いた時の方が適度に塩味が効いてさっぱりと良かったような気がする。
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余談: 龍の子太郎がお母さんの龍に乗って飛ぶシーンがあるが、日本昔話のおオープニングに登場する龍と子どもは何か関連があるのだろうか?
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