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虎と竹のコンビネーション [寅]

孤独な虎と共に一番多く描かれているのが竹である。
掛け軸や屏風などでは生い茂る竹薮から炯々とした眼で姿を現す虎の姿は記憶に鮮やかである。

しかし。
竹薮の中の姿があまりに見慣れていたため、ついつい考えずにきたが、ふと疑問。

虎って竹薮に住んでいるのか?
それなら何を食べて生きているのか?
ごくごく普通のイメージでは、竹薮に住んでいるのはパンダなのだが。。。
もしや虎も笹の葉を食べるのか??
パンダは熊、熊はネコ科、虎もネコ科。。。ええええ????

虎の食用となりそうな、竹薮に住んでいる小動物などたかが知れいている。
竹薮の生態はよく知らないが、せいぜいウサギやキツネ、またはタヌキあたり。。。あとはネズミや小鳥。。。?
山月記の李徴は目の前をかけ抜けたウサギを無意識で食べたと言っていたし、竹薮で生息できないことはないのかも知れない。。。 

そもそも虎はスマトラとかインドネシアとか、アジアの密林地帯の猛獣である。
そして自分の体格とほぼ同じくらいの草食動物なんかを猛スピードで追いかけて後ろからがぶっと食らいついて倒す。。。それも華麗なるファミリープレイで。

虎が生息せず、実際の生態を知らなかった日本人が、なんとなく似合いそうだと思って虎と竹のモチーフを考えた訳ではない。中国の掛け軸にだってしっかり虎と竹が描かれている。その訳は?

ライオンの棲息しないアジア大陸において、虎こそは百獣の王であった。虎は千里を往き千里を帰る。颯爽と走る姿は風の象徴とされ、ゆえに同じく風の象徴とされる竹と組み合わされて視覚的なモチーフとされたのだという。勇猛な姿は武家に好まれ、雲を呼ぶ竜とともに屏風絵や襖絵などに多用されたということである。


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